S&P500を買えば年率7%で複利運用できる!は真っ赤な嘘。複利運用に関するボヤキ②
こんにちは、管理人のあぷふぇるです。
今回はTwitterで事前予告していた、複利運用に関するボヤキ記事第二弾です。
複利運用の使い方を間違ってる人が多いので、過去に書いた短い記事を貼っておきます。
— あぷふぇる (@ApfelInvestment) 2020年9月9日
近日中に第二弾も公開予定です。#複利運用#資産形成#20代投資家 https://t.co/r9pMZVIprz
第一弾の記事はこちら
apfelinvestment.hatenablog.com
ちなみに約200日ぶりのシリーズ更新となりますw
そもそもS&P500の分配金利回りは1.3%程度
S&P500に投資できる人気のETFにVOOがありますが、VOOの利回りは2020/09/13時点で1.3%程度です。
VOOは債券ではないので、あらかじめ毎年7%の利益を差し上げますよという契約ではありません。
仮にそういう契約の金融商品であれば、文字通り「再投資」による「複利運用」が可能となる。
つまるところ、株式では年率7%の「複利運用」はできず、複利運用しているのはせいぜい2%弱です。
2%以外は一切再投資できていません。
これはVOOだけでなく、eMAXIS Slim S&P500やVTなど、すべてのインデックスファンドでも同じです。
投資信託なら配当は自動的に再投資されてるんじゃないの?と思う方もいらっしゃると思いますが、配当は先ほども書いたように多い時で2%程度です。
これは誰がどういう表現で説明しようが、変わらない事実です。
正解が既に出ている問題を何度解いても答えが変わらないのと一緒で、過去のデータだけみればS&P500やNASDAQに集中投資していれば最も効率よく(というか結果的に額が大きいだけで効率は良くない)資産が増えたという結論に誰もが至るからこそ、このような間違った見解がまことしやかに世に出回っていて信じられているのでしょうね。
実際の投資成果
インデックス投資の成果について
S&P500は債券ではないので、7%の複利運用ができるわけではないことは伝わったと思います。
ここでブログを終わらせても良いのですが、参考までに実際の投資成果はどうなるかについても簡単に記載しておきます。
株式に投資した際の投資成果は、個別元本に対する値上がり益と売却期間までの配当です。
これはこのツイートだけでなく、何度か言及しています。
取得価額によるので安易に騙されないように…
— あぷふぇる (@ApfelInvestment) 2020年9月6日
しかも元本なり配当を追加しなければ複利効果は得られない。これを間違って認識してる人が多すぎる。
この記載の方法だと、複利効果ではなくただ単に市場の成長をそのまま得ているだけですよ。
年平均に換算したら単年○%の複利に「見える」に過ぎない。 https://t.co/KuyaSavBrw
結局のところ、安く買って高く売る。それだけです。
長期で持っているほうが結果的にプラスになるかもしれない、プラスの幅が大きくなるかもしれないというだけです。
仮にリーマンショックやコロナショックが起きても、いつかは元に戻っているかもしれないということです。
年率リターンはただの「見かけ」
しつこいようですが、100円で買ったものが利息を生んで107円になり、107円を元本にしてさらに利息を生んで114.49円になり、、、というのが複利運用であって、
インデクスファンドやS&P500を買えばこうなるわけではありません。
よくある年率7%の複利ができる!というのは、100円で買ったものを114.49円で売却できた。年率に換算してみたらたまたま7%だったというだけです。
ちなみにですが、直近の20年間(2000/10/01~2020/09/01)でS&P500に毎月10万円ずつ積立たとして計算すると以下のような結果となります。
元本 | 累計評価額 | (見かけの)年率リターン |
24000000 | 56115167 | 4.57% |
(データ出所) https://finance.yahoo.com/
積立元本によって積立期間が異なることもあり(これを考慮していない人が多い)、見かけの年率リターンでは4.57%です。
最も効率が良い投資先はS&P500ではない
異次元の金融緩和政策で過去最高値を更新している今ですら、20年間の成績を年率リターンになおすと4.57%となるわけです。
7%という幻想も崩れましたね。5%にすら届きません。
上でも書きましたが、正解が既に出ている問題を何度解いても答えが変わらないのと一緒で、過去のデータだけみればS&P500やNASDAQに集中投資していれば最も大きく資産が増えたという結論には誰もが至りますが、
実際には
・20年間という長期間にわたり積立を継続
・良い時も悪い時もすべてならす
・過去最高値で売却できた
というこれ以上ない条件を設定しても、年率4.57%なわけです。
そのうえ株式という金融商品の性質上、どうしてもリスクは大きくなってしまいます。
上記と同期間のデータで計算すると、ちょうど15%(厳密には14.9989…)になります。
運用効率の指標であるシャープレシオを計算すると、リスクフリーレートを加味しなくても0.30程度なわけです。加味すれば運用効率は当然悪化します。
分散投資をしたほうがリスクを減らすことができますから、結果的に運用効率が高まることを容易に想像できますね。
つまり、結果だけ見れば金額は一番増えたかもしれないが、全くもって効率は良くないといえます。
最も資産が増える方法が、最も効率的な運用であるとは限らないのです。
分散投資に関する記事はこちら
apfelinvestment.hatenablog.com
おまけ
よく、投資をする(していることを正当化するための)理由として、現金だとインフレに負けてしまい価値が減るという意見を嬉しそうに述べている人が多いですが、個人的には疑問に思ったので以前のツイートを貼り付けておきます。
投資界隈の皆様は「日本が成長しない」というバイアスを持っており、貯金は利息がつかない!米国株に投資!と息巻いています。
— あぷふぇる (@ApfelInvestment) 2020年9月5日
しかし、日本が成長しないのであれば「インフレによる現金価値の目減り」は起きないですよ😂
❌現金価値が目減りするから
💮相対的に魅力があるから
投資するんですよ🤗
ブログとTwitterを運用していくので、フォローや拡散大歓迎です。
Twitter→@ApfelInvestment
応援よろしくお願い致します!
2020/09/14 あぷふぇる