私がeMAXIS Neo 宇宙開発を買わない理由
こんにちは、管理人のあぷふぇるです。
今回の記事は以前した、私はeMAXIS Neo 宇宙開発を買わないというツイートの深堀記事となっております。
eMAXIS Neoの宇宙開発を買わない理由は、宇宙事業の収益性がよくわからないのと、実現までにまだまだ時間がかかりそうなのに既に結構上がっているから。
— あぷふぇる@配当金14.2万円 (@ApfelInvestment) 2021年1月31日
本来は注目や普及される前に買うのが良いんだろうけど、疑問があるものでハイリターンを狙うより自信があるものでミドルリターンを狙う方針。
テーマ型投資について
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収益性がよくわからない
収益の重要性
そもそも、宇宙開発の収益性はどこにあるのだろうか?という疑問があります。
「株式投資は美人投票だ」なんて言葉がありますが、美人投票であったとて株価の水準を測る物差しとなるのは、その企業がもたらす将来の収益なわけです。
2021年になってから米国10年金利が急上昇したときに、「株価が暴落する」という噂が流れたのも、将来の収益を現在価値に換算する際に用いる割引率が高くなるから株価が下がるというロジックが背景にあるからです。
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もちろん、「現在の株高はバブルではない」という意見の根拠にも、政策金利が低く抑えられているため、割引率も低い、だから株高はおかしくないというロジックです。
これらの意見は、結局のところ企業の将来の収益に基づいて株価の水準を考えています。
つまり、普通は株価が上がるかどうかは収益や収益性に左右されるわけです。
その点、宇宙開発ビジネスの収益性は?という疑問が浮かび上がります。
これは私が勉強不足なだけなのですが、宇宙開発ビジネスと聞いて儲かる仕組みが特に思いつきません。
「わからないものには投資するな」は鉄則です。
この時点で投資対象からは外れているのですが、ここで終わってしまっても仕方がないのでもう少し深堀します。
宇宙開発ビジネスの概要
宇宙開発ビジネスには、「宇宙開発」という言葉のイメージ通り、衛星を飛ばしたり月や火星への探査といったものから、宇宙旅行まで幅広くあるようです。
eMAXIS Neo 宇宙開発が投資している(連動を目指している)のはS&P Kensho Space Indexという指数で、実質的に米国金融取引所に上場している宇宙開発に関連する製品やサービスを提供する企業に投資しています。
2018年10月時点での組入全銘柄が紹介されている資料を見つけましたので、こちらに置いておきます。(当然組入銘柄は変わっています)
https://emaxis.jp/text/253299_181214.pdf
また、執筆時点(2021/02/05)での最新の月報も置いておきます。
https://emaxis.jp/pdf/geppou/253299/253299_202012.pdf
これらを見た感じ、宇宙開発ビジネス自体はロマンだけで成り立っているわけではないことがわかりますね。
でも、投資対象にはなりません。
実現可能性の低さ
人類は驚くべきスピードで技術を発展させてきましたから、将来的には海外といわず、地球外で暮らす人々が出現するかもしれません。
しかし、それは遠い遠い将来のことでしょう。
つまり、宇宙開発よりももっと早く実現しそうな(つまり株価が上がりそうな)テーマは他にたくさんあるので、今投資するよりも、他のテーマに投資した後、数年後に増えた資金で投資をしたほうがより早く、確実にリターンを生むことができると考えます。
宇宙旅行は?
地球外移住よりはるかに現実的で、もはや目の前まで来ている宇宙旅行ですが、実現しただけでは収益は増えません。
収益を上げていくには、値上げをするか、普及するかのどちらかが必要です。
(先進的な技術なので普及する前のコストカットには限界があります。)
例えば、最近試験飛行を成功させた$SPCE(ヴァージンギャランティック)ですが、同社の90分の宇宙旅行の価格は25万ドル(約2650万円)です。
まずもって富裕層(資産100万ドル以上)レベルでは無理ですし、老後2000万問題とかいってる日本で普及するのはまだまだ先でしょうね。
しかも、宇宙旅行の25万ドルは将来的に値上げしていくことを前提としています。
一応ロケット(飛行機)自体を再利用できることからコストはある程度抑えられ、利益率は高いそうですが、それでも宇宙ビジネスだけでは厳しいです。
(技術を他のものにも転用できれば別)
ESGという時代の潮流に反している
なんか「新技術」って看板でうまくごまかしているけど、宇宙ビジネスって反ESGの代表格だと思うのですがどうでしょうか?
米国も欧州も日本も、地球温暖化が世界レベルで問題になってて、(それはずっと前からだが)世界中がやっと重い腰を上げて、しかも総力をあげて(半ば無理やりに)このクリーエネルギー政策を推し進めています。
それ以外にも、貧困や少子高齢、差別、食糧問題などの社会課題や、ガバナンスといった、いわゆるESGが時代の潮流なわけです。
EVもその一端を担っていて(本当にエコかどうかは議論の余地あり)、約1年で株価が10倍になった$TSLAなんかその象徴といえるでしょう。
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これだけESGの機運が過去に例をみないほど高まっているにもかかわらず、宇宙開発に必要なロケットは、大切な資源をたくさん使い、化石燃料を大量に燃やし、CO2をこれでもかというぐらい排出するわけです。
環境にできるだけ負荷をかけない燃料の研究はもちろん行われているみたいですが、それでも反ESG的な性質を持っています。
「大きな流れに逆らわない」というのも鉄則です。
(もちろん、話題性という意味では波が来ていますが)
リスクが非常に高い(テーマ型投資の宿命)
テーマ型投資の宿命ではあるものの、リスクが30%普通に超えるんですよね。みんな大好きS&P500が年率約15%ぐらいなので、2倍のレバレッジをかけてるのとほぼ同じです。
詳細データはこちらから閲覧できます。
eMAXIS Neo 宇宙開発-レーティング&リスク|投資信託[モーニングスター]
結局テーマ型って「話題性」で先行する、つまり期待先行な側面がかなり大きいので、ヘッドラインニュースでボラティリティが激しくなります。
投資信託だと一日一回しか価格が出ない上に複数銘柄の組み合わせだからわかりにくいですが、そもそもどんなテーマだとしても、似たような性質を持つ銘柄群を固めているので、いわゆる普通のインデックスと比較してリスクが高まる傾向にあります。
そのうえ、新興のテーマなので、ハイリスクハイリターン(上図の右上ゾーン)になります。
ハイリスクハイリターンなこと自体は良いのですが、前述した通り今買うべきか(実現可能性や普及が近い将来か)といわれればそうではありません。
別に今必要ではない(と少なくとも私は思っている)ので、優先順位が低いのにハイリスクハイリターンなのだから投資対象には入らないというわけです。
まとめ
宇宙開発自体にはロマンがあり、遠い将来普及する可能性は高いだろうと思います。
しかしながら
・収益性のイメージが湧かない
・本格的な普及はまだまだ遠い将来
・他に魅力的な投資先がたくさんある
・ESGという時代の潮流に反している
・話題性だけで既に大きく上昇している
・新興テーマなので、ハイリスクハイリターン
という問題があると考えています。
なので、私はeMAXIS Neo 宇宙開発を買いません。
テーマ型投資は「話題性」と「実現性」の両方のバランスが重要だと思います。
これはつまり「話題性」と「実現性」の両方を見なければいけないということ。(かなり当たり前のことなんだけど、このファンドに関しては雰囲気で積み立ててる人多そう)
— あぷふぇる@配当金14.2万円 (@ApfelInvestment) 2021年1月31日
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2021/02/05 あぷふぇる